本日は、中国医学の中の鍼灸(中医学)についてお話いたします。
まずは、中医学と西洋医学の違いですが、西洋医学は画像データや科学的な検査数値(採血や尿検査など)を元に、病気の原因を特定して論理的に治療することが得意です。
対する中医学は紀元前からの経験をもとに理論だてた医学で、採血やレントゲンなど科学的な分析方法が無かった中で、自然界の法則を人体にあてはめて行った治療結果から結果を考察し、経験を重ねて導き出した法則のもとに治療する治療方法となります。
よく表現される言い方としては、西洋医学は病気を診て、東洋医学は病気ではなく病人を診るという表現ですが、この考え方は、どちらが優れているかを比べているのではなく、それぞれの得意分野があるということを表現しております。
病気という部分を診るだけでなく病人の全体を診て、患者さんの症状を改善する方法を考える東洋医学が絶対に優れているかというと、急性の症状や重篤な症状に関して言えば西洋医学が適していると私は考えております。
たとえば、交通事故で大量出血している患者さんや、心肺停止状態、溺水・毒物中毒・感染症の悪化などは、鍼灸での治療よりも西洋医学のほうが明らかに適しております。
ただし、西洋医学の検査では原因不明・治療不可と診断されるようなお悩みが中医学の鍼灸治療で治る・改善されるといったことは多々あり、体質の改善や原因不明の病気などは中医学の鍼灸を試してみる価値はあります。
不妊症を例に挙げると、卵管の癒着や子宮筋腫・チョコレート嚢腫などの器質的な問題がある方には婦人科での治療が第一選択ですが、鍼灸を併用することで妊娠力(体力)の低下を防ぐ効果が見込めます。
器質的な問題が無く、検査数値では問題が見つからないが妊娠に至らない方には、鍼灸施術や漢方薬で体質を改善することが可能です。
ホルモンバランスが乱れているようなケースでも、鍼灸施術を行うことで妊娠に至りやすくなることが各国の研究で認められておりますので、西洋医学と併せて鍼灸施術を行うことは妊娠に至る近道になりますよ(‘-^*)/
2014
06Nov
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