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練馬区氷川台【有楽町線・副都心線】のコンチェルト針灸院 院長の松浦聡です。
本日は、先日のブログに引き続き逆子のお灸に関してです。
だいぶひっぱりましたが、逆子のツボの名前を発表すると「至陰(しいん)」というツボが有名です。
というか逆子のお灸のツボと聞かれて、他のツボの名前を出す鍼灸師はまずいません!
なぜに逆子=至陰というくらいに有名かというと、本来はそれほど明確な理由はなかったのが現実です。
中国の鍼灸関連の古典で、横位の妊婦に対して至陰にお灸をしたら治ったという記述があったことから、古典を読んだ方がお灸をしたところ治った。
それをまわりの鍼灸師に伝えて広がっていったのかと思われ、つまり、もとはと言えば一人の鍼灸師が行った一症例だった可能性も否定できません。
それでは、他のツボにお灸した場合と比べて効果のほどはいかがなものだろうかと前から気になっておりましたところ、鍼灸の専門誌にてちょうど逆子のお灸のランダム化比較試験の報告が記載されておりましたのでご紹介いたします。
その内容はというと、至陰への灸の効果を検証するために、異なる経穴(ツボ)を含む3つのグループ(至陰へのお灸グループ、隠白へのお灸グループ、通常ケアのグループ)に分けて試験を実施したところ、分娩時に頭位に戻った割合は下記の通りとのことでした。
至陰へのお灸グループ:58%
隠白へのお灸グループ:43%
通常ケアのグループ:45%
隠白というツボは足の親指の爪の角にあるツボで至陰と反対側のツボですが、通常ケアのグループよりも成績が悪くなるという驚きの結果でした!
出典元「Journal of the British Medical Acupuncture Society 2013.31(1):31-8」
この結果からも至陰が逆子のお灸の基本穴という見解は支持されてしかるべきとおもいます。
2016
15Feb
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