本日も引き続き無痛分娩リスクの検証です。
前回のブログはこちら。
・無痛分娩と自然分娩での死亡率比較
平成23年の厚生労働省の調査では、帝王切開での分娩率が19.2%で帝王切開での分娩率は年々上昇しております。
そのため、帝王切開での分娩率を21%とさせていただきます。(21%に具体的な根拠は・・・以下省略(*´ω`))
日本の出生数はというと、年間におよそ100万人。
1年間の分娩時死亡人数は約50人、その内訳として無痛分娩で2人、自然分娩で36人とします。「緊急帝王切開などでの死亡人数も含まれると思うので、50-2(無痛分娩での死亡件数)-12(帝王切開での死亡件数)=36という推測での計算です」
帝王切開で分娩する約21万人をひくと79万人が経膣分娩となります。
100万件のうち7%が無痛分娩なので7万人が無痛分娩、72万人が自然分娩で出産しているとします。
72万の自然分娩数に対して36人が死亡(約0,00005%)
7万の無痛分娩に対して2人が死亡(約0,00003%)
ニュースでは、無痛分娩のリスクを強調するような記事に仕上げられてますが、私の大雑把な計算では、自然分娩よりも無痛分娩での死亡リスクは低減していると思われます。
分娩時の死亡リスクとして挙げられるのは、第一に大量出血ですが、無痛分娩で亡くなられた方の内訳は12人が羊水塞栓症で、1人が麻酔薬によるアナフィラキシーショック。
つまり、無痛分娩による弛緩出血対策などが事前に行われるため、大量出血による死亡を予防できていると考えられます。
アナフィラキシーショックに関しては、事前のアレルギー反応をチェックすることで、もしかしたら予防できたかもしれませんが、羊水塞栓症は予測不可能と言われております。
「自然分娩に対して無痛分娩で羊水塞栓症が多い」という提言であれば、「麻酔薬による弛緩出血が羊水塞栓症のリスクを上げているのかも?」など考察する意味があるかもしれませんが、自然分娩で最も死亡率の高い大量出血を予防した結果、羊水塞栓症による死亡率が高くなっているのであれば、ポジティブな結果と考えられます。
ということで、「死亡数・死亡率という点では無痛分娩の方がリスクが低いのでは?」というのが現時点での私個人の評価です。
今回のブログで書いた内容はかなり大雑把な計算が基になっているので、より正確な数字が入手出来たらまたブログで報告したいと思います(*^^*)
2017
01May
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