現在当院が往診で診させていただいている患者さんのお悩みで一番多いのが膝の変形による疼痛です。
ということで、本日は変形性膝関節症への施術方法や予防方法などをご説明させていただきます。
鍼灸での施術方針としては、変形の進行を抑えることと、疼痛を軽減して買い物や散歩などの日常生活に支障が出ないようにすることがメインです。
鍼灸施術と併せて大切なのが、下肢の筋力トレーニングと体重のコントロールです。筋力がしっかりしていても体重が重かったり、反対に体重は軽くても筋力が低いと関節の負担が大きいので、痛みを軽減することとあわせて関節の負担を軽減することが重要です。筋力トレーニングでは、膝関節を支える大腿四頭筋が最も重要なので、施術後は患者さんに適したトレーニング方法をご紹介しております。
トレーニングの例をあげると、変形が初期で痛みがきつくない方でしたら、散歩の歩数を少し増やしていただいたり、不可を考慮したスクワットを行っていただいたりします。変形が進行していて痛みが強い方でしたら、プールでの歩行や座位での筋力トレーニングなど、関節に不可のかからない筋力トレーニングで膝を支える筋力がついてから、少しずつ負荷の高いトレーニングを提案していきます。
病院での治療方法としては、ヒアルロン酸の注射や手術が挙げられます。ヒアルロン酸注射は患者さんによっては効果も認められますが、一時的に症状を軽減するだけなので継続的に注射を受ける必要があり、注射自体がとても痛いので患者さんの負担は大きいです。手術をして痛みが軽減する方もいらっしゃいますが、術後の痛みが残ったり、入院生活の影響で体力が低下して、手術前よりも歩行が困難になる方もいらっしゃいます。
鍼灸施術の場合、施術による痛みはほとんどなく、筋肉や関節周囲の軟部繊維の血行を改善することで、関節の痛みを抑えることが可能です。施術の痛みだけでなく副作用もない体に優しい施術方法なので、ご年齢と状態にもよりますが基本的には保存療法をお勧めいたします。
2014
19Nov
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