先日、患者様のご家族が胃がんで亡くなられました。
正確には胃がんの切除後の衰弱が原因ですが、手術をして約1か月でお亡くなりになりました。
癌のステージやご年齢・体力の有無も手術するかを決める際の目安にはなりますが、この患者さんは性格的にもアクティビティやリハビリを積極的に行うタイプではなく、術後の体力低下は予想できていたのでご家族にも手術は避けた方が良いとお伝えしておりました。
恐らく、手術をしなければ数年は健康に生活が出来ていたと思われるので、ご家族より手術のご相談をいただいた際にもっとしっかりと引き留めていたらと思うと悔やんでも悔やみきれません。
どのような病気でも保存療法が適しているとは言いませんが、病院の先生が「癌という病気」ではなく「人」を診ていて頂けたら手術には踏み切らなかったのではないだろうかと思ってしまいます。
さて、胃がんの術後について少しご説明いたします。
西洋医学ではダンピング症候群と言って、動悸・眩暈・冷や汗など自律神経の症状が出ることがありますが、鍼灸施術ではこのような症状を抑えるお手伝いができます。切除せずに保存療法を選択する方には、胃がんによる背中の痛みなどを和らげたりすることも出来ます。
東洋医学で考えると、胃には和降作用と言って食物などを体の下のほうに運ぶ性質があると考えられており、肝臓は疎泄作用と言って体の熱や物質を上に運ぶ性質があります。
普段は肝臓と胃は拮抗してバランスを保っていますが、胃を切除して機能が低下することで肝の機能が相対的に亢進します。そのため、逆流性食道炎や胃の膨満感などの症状が出てくると考えられます。
胃がんの原因としてはピロリ菌による慢性胃炎がよく言われますが、ピロリ菌を除菌することで胃の中がより酸性に傾き、食道がんを発症するリスクが高くなるとも言われております。若い方でピロリ菌による感染がみられると除菌を勧められますが、まずは信頼できる医師としっかり相談することをお勧めいたします。
食道の周囲には気管・肺・リンパ節・大動脈・心臓などの重要な臓器が有り、転移した際の生命リスクが高いことから、除菌を勧めないDrもいらっしゃいます。
当院では逆流性食道炎や消化器の不調を軽減する施術を行っております。
治療院は練馬区早宮にございますので、有楽町線の平和台や氷川台から徒歩でお越しいただけます<m(__)m>
2014
27Nov
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