先日の望診に引き続きまして、四診シリーズ第二弾として聞診の説明をさせて頂きます。
古典における聞診の説明としては、病人の体臭、口臭などの臭いと、排泄物・分泌物のの臭いを嗅ぎ、その臭いの質によって病状を診断するとされており、一般的な診断方法としては、悪臭のあるものは熱がこもっている、もしくは実証(体の中に気・血・水などが余っていたり滞っている状態)と診断され、なまぐさい臭いがするものは、冷えの所見や虚証(体の中で必要な気・血・水などの物質が不足している状態)と診断されます。
個人的には、生臭いのも悪臭という認識なので、この説明文にある悪臭は熱証で生臭いのは寒証というのもひっかかるのですが・・・( ̄_ ̄ i)
私自身は、臭いから病態を分類するほど聞診を多用しておらず、患者さんとお話をする際の声の調子を聞いて元気が有るか無いか、つまり体のエネルギーである「気」が有るか無いか、胃腸が疲れていないか程度を判断する位に使っております。
臨床での例をあげると、躁鬱病(双極性障害)の患者さんでは、躁状態なら熱に偏っていると判断し、熱を抑えるようなツボに鍼を刺し、鬱状態なら気(エネルギー)を補うツボに鍼を刺したりといった判断材料としても使っております。
中国の古典では『五香』と言って、臭いの種類により五臓六腑の肝・心・脾・肺・腎のどの臓器に問題が有るかを判断したりする際にも使われております。
肝臓なら臊「あぶらくさい」・心なら焦「こげくさい」・脾なら香「かんばしくさい」・肺なら腥「なまぐさい」・腎なら腐「くさったにおい」と問題のある臓器を判断することにも使うのですが・・・正直に言って私には分かりません(+_+)
臭いでどの臓器に問題が有るか判断出来なくても、お困りの症状の内容や問診で判断できるので、臨床ではあまり必要としないと考えております・・・言い訳がましいですが(〃∇〃)
2014
22Nov
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