先日のブログ「重陽の節句」の内容につきまして、前回の内容をさらに掘り下げてお話しさせて頂きます(*^^*)
前回のブログの内容ですが、重陽の節句では「邪気を払い長寿を願うために、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったりしていたそうです。」と書きましたが、なぜ菊を使うかと言うと、菊には邪気を払う作用があることと併せて、陽を抑える働きがあるので、強すぎる陽の気を抑えるためと思われます。
ちなみに、陰陽の「陽は」身体の活動を促したり、身体を温めたりする働きを持ちます。
逆に「陰」は体を滋養したり、潤して熱を冷ます働きがあると考えます。
そのため、陽の力が強すぎる陽亢(ようこう)の状態に陥ると、足は冷えるが頭はのぼせたような上熱下寒の状態などになり、イライラ・胃酸の逆流・目の充血・偏頭痛などなどの症状が現れます。
当然、陽の力が旺盛でなくとも、陰陽の陰が不足すると相対的に陽が亢進するので、陰虚陽亢という状態になります。
続きまして、漢方薬に関するお話を少しさせて頂きます。
菊の花は漢方薬でも頻繁に使われていて、やはりイライラするストレス体質の方に処方する漢方薬に含まれることが多いです。
菊が使われている漢方薬の例を挙げると、釣藤散・杞菊地黄丸などが挙げられます。
配合されている生薬を見ると、杞菊地黄丸では「地黄8.0、枸杞子5.0、山茱萸・山薬各4.0、牡丹皮・茯苓・沢瀉・菊花各3.0」とあり、ベースの六味地黄丸に肝血を補う「枸杞」と陽を抑える「菊花」を加えているので、腎陰虚から陽亢しているタイプの方に向く処方となります。
釣藤散では、「半夏」や「茯苓」など湿を捌く生薬や、気を補う「人参」や「生姜」などから、気の流れを促す「陳皮」などが含まれていることから、余剰な水分が肝胆に貯まって気が巡らなくなり熱を生み出してしまった、肝胆湿熱からの肝火上炎・肝陽上亢に対する処方と考えられます。
当鍼灸院では漢方薬は処方しませんが、目の充血や目のクマなどのお悩みに「クルミ灸」を行ったりします。
この「クルミ灸」では野菊花を煮だした液体にクルミを浸し、クルミを目の上に置いて、そのうえでお灸に火をつけます。こうすることで目のクマ・充血・痒み・眼精疲労などの諸症状にも効果があります。
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練馬区氷川台(有楽町線・副都心線)にてミュージシャンの鍼灸を専門的に行っている、コンチェルト鍼灸院の松浦聡です♪
音楽家特有のフォーカルジストニア(局所性ジストニア)に対する施術では、施術の前後で演奏を撮影し、演奏の変化を客観的に診ながら施術効果を確認して施術方針を決めていきます。
当院を受診されているミュージシャンの方にも、他所の鍼灸院で施術を受けても効果がなかったが諦めきれず当鍼灸院を受診して、症状が改善している方も多数いらっしゃいます。
他所の鍼灸院で鍼灸施術を受けたけど効果がなかったと諦めている方、あきらめずに是非一度コンチェルトはりきゅう院にご相談下さい。
2016
12Sep
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