前回に引き続きビタミンDに関してですが、不妊症や不育症にもビタミンDは重要なので、不妊鍼灸関連としてお話しいたします。
女性の不妊症に関してですが、ビタミンDは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)・月経困難症・排卵障害などの症状の改善やAMHの数値改善に働きます。(内膜症の方に関しては、症状が悪化するという報告もあれば内膜症の症状を改善するという報告もあり、ビタミンDが内膜症の予防にもなるという報告もあるのでご注意下さい!)
この論文では、乳製品やビタミンDを多く摂っていると内膜症のリスクが低減されると報告されております。
出典元:米医学誌「American Journal of Epidemiology」(英文です)
・Dairy-food, calcium, magnesium, and vitamin D intake and endometriosis: a prospective cohort study.
ビタミンDには抗炎症作用もあるので、個人的には内膜症のリスクが減るという考えが腑に落ちます☆
続いて、不妊症に関するコロンビア大学(アメリカ)の研究をご紹介します。
こちらは、ビタミンD濃度と着床能力の関係を調べるため、卵子提供を受けて体外受精に臨む99名の女性を対象に試験を行っております。
卵子提供者の条件などは書かれておりませんが、子宮内膜の着床能力を計るという意味では信頼性の高い研究だと思います。
出典元:Fertility and Sterility(英文です)
・Influence of vitamin D levels on in vitro fertilization outcomes in donor-recipient cycles
結果は下記の通りで、ビタミンDを十分に摂ることで優位に妊娠出産率が改善されることがわかります。
血中ビタミンD濃度が30ng/ml以上で適正範囲内のグループ: 妊娠率78%、生産率59%
血中ビタミンD濃度が30ng/ml未満のグループ: 妊娠率37% 、生産率31%
日本でのビタミンD摂取基準は、15~40ng/mlとされておりますが、妊娠出産を望まれている方は基準値内でも少し多めにビタミンDを摂ることをお勧めいたします(#^.^#)
2015
22Jul
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