本日参加した認知症講習会にて認知症に関する歌を聴いたのですが、とても印象深かったのでご紹介いたします。
樋口了一さんの曲で「手紙~親愛なる子供たちへ~」という曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=55EjDYHlMHc
歌詞は作者不詳で、元はポルトガル語で書かれたチェーンメールの詩に感銘を受けた樋口氏の友人が、翻訳した詩を樋口氏に見せたところ、樋口氏も感銘を受けて曲の制作・発売に至ったそうです。
当院でも認知症の患者さんを診させていただいておりますが、患者さんのご家族で親を介護されている方のお話を聞くと、同じ話を何度もされることや着替えるなど簡単な動作が出来ないことについ怒ってしまうとおっしゃられます。
やはり、ご自身を時に叱りつつも見守り育ててれた親が衰えていくことに悲しみや怒りを感じていらっしゃるようで、介護の方法としては、怒ってはいけないことや同じ話でも耳を傾けることが正しいとは知っていらっしゃるのですが我慢できなくなってしまうようです。
ご存じの通り、認知症になると過去の出来事や学んだことを忘れていきます。
人間の「その人らしさ」は、知識・感情・性格の3つが主な構成成分となりますが、認知症になると知識の部分が減っていくため、相対的に感情の割合が増えていくことで感情表現が豊かになっていきます。
そのため、周囲の人の感情に過剰に反応してしまうので、介護する方が怒っていると患者さんも更に怒ったり不安になってしまいますが、介護する方が優しい気持ちで接すると患者さんも優しい気持ちで生活することが出来るようになります。
私自身はまだ35歳なので、自分が認知症になる恐怖より、高齢になりつつある親や親せきが認知症になることで、これまでの記憶や思い出を忘れていってしまうことに不安を感じておりました。
しかし、この歌を聴くと自分が幼いころのことを思い出し、親への感謝の気持ちを持ち、親が認知症になったとしてもこの歌を思い出し、優しく接して最後の時間を傍でさりげなく支えたいと思えました。
介護する方の苦労がわかるからこそ、私は今後も認知症の進行を抑えるよう施術にあたり、ご家族にはこのような歌が有ることをお伝えして、心の負担が少しでも軽くなることを願います。
2014
09Nov
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