練馬区平和台のコンチェルト鍼灸院 院長の松浦聡です。
本日は逆子のお灸に関してお話しさせていただきます。
まずは逆子の説明ですが、みなさんご存知だと思いますので簡単に言うと「産道側に胎児の臀部がある状態」です。
逆子以外の表現としては骨盤位とも呼びます。
なぜ逆子が問題視されるかというと、早期破水にした場合に起こる合併症が問題になるのですが、母体側では子宮内感染などがあげられ、胎児側では臍帯脱出・臍帯圧迫などが挙げられます。
胎児の頭が産道側にある「頭位」の状態であれば、早期破水しても頭で羊水が漏れ出にくくしてくれますが、骨盤位だと羊水の流出を防ぐことが難しいのでやはり頭位の状態を保つのが望ましいです。
では、逆子の矯正方法ですが、有名な方法としては逆子の灸・外回転術・逆子体操などが巷で行われております。
外回転術は矯正できる可能性が高いですが、胎盤剥離などの合併症を引き起こすリスクが高いので、基本的にはお勧めいたしません。
逆子体操は効果がハッキリしないこともあり、Drによって勧める先生と勧めない先生に分かれます。
続いて逆子のお灸ですが、当院のホームページでも記載しておりますが、かなり高確率で矯正が可能と論文も発表されております。
以下、HPより抜粋。
世界的に有名な医学雑誌のJAMAにて、逆子のお灸の有効性を示した論文です。(英文)
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=188144
≪要訳≫
33週目の逆子に対し、逆子のツボにお灸を施したグループ130名とお灸を施さず通常のケアのみ行ったグループ130名を比較したところ、35週目までにお灸を施したグループは98/130例(75.4%)が頭位に戻り、通常のケアのみ行ったグループでは62/130(47.7%)が頭位に戻った。
お灸にも多少のリスクはありますが、外回転術と比べるとそれほど高くありません。ただし、お灸をする当日に体調を確認せずにお灸を行い、過剰刺激により破水してしまったという報告を聞いたことがありますので、お灸を受ける日に不正性器出血など通常と違う状態があれば、担当の鍼灸師と相談することをお勧めいたします。
逆子のお灸で使う経穴(ツボ)は、足の第5指(小指)の爪の角のところにある『至陰』というツボです。治療院の先生によっては至陰と合わせて三陰交というツボにもお灸をしたり、お灸ではなくかなり刺激の強い施術を行う先生もいらっしゃいます。
施術効果としては、反応が早い方だとお灸をしている途中で胎児が動き出します。
これまでに私が行った逆子のお灸の効果としても、一回の施術で頭位に戻った方も多数いらっしゃいますので、お灸の効果はあると考えております。
妊娠32週より前の段階では、自然に頭位に戻ることもあるので基本的には経過観察で良いと思います。ただし32週を過ぎて時間が経過すると、頭位に戻る確率が下がっていきますので、32週以降で逆子と診断された方は早めに受診されることをお勧めいたします。
2014
19Nov
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