前回のブログにも書きましたが、患者さんや友人と話していると、普段全く登山はしないけど富士山は親子で登ってみたいと考えている人が周りに多いことに気が付きました。
そこで、登山ど素人親子がどのように富士山に向けて準備して、どのようなことに悩み、装備を決めたのかなど、今後登る方の参考になればと、記憶に残っているうちにブログに書いておこうと思います。
さて、私が不安だったのは「①体力」「②高山病」と「③低体温症」の3つで、「①体力」に関しては前回までのブログで書きました。
なので、今日のブログは「②高山病」と「③低体温症」の二つがメインになります。
前回までの登山関連ブログは下記タイトルからリンク先をご覧くださいませ♪
・登山始めました
・富士登山一日目(五合目から山小屋まで)
・富士登山二日目(山頂で御来光から下山)
まず、高山病について。
私自身は若い頃に標高6000mを超えるチベットに旅行に行ったことがあります。
その時は四川省から電車で48時間ほどかけて、高度順応しながらチベットに向かったのですが、チベットに着いたときには体調は最悪で、頭痛と発熱と下痢に悩まされました。
当時は高山病だと思ってましたが、今思えば高山病ではなく感染症だったのかと思います。
とはいえ、飛行機でチベットに来た団体客の爺さん婆さんが楽しそうに元気に喋っているのに、電車で時間をかけて登ってきたのに体調不良に陥る理不尽さに嘆きました(-_-;)
話しが脱線しましたが、富士山での高山病対策を調べて実践したのが、下記の項目。
・5合目に1時間程度滞在してから登り始める
・ろうそくの火を消すように、口先をすぼめて肺に圧力をかけて息を吐く。
・血中酸素飽和濃度をはかるパルスオキシメーターを持参する。
5合目での1時間滞在は、普通にランチと準備で経過していました。
なので、一時間の5合目滞在がどれくらい役に立ったのかは不明ですが、その他の二つはとても有効でした!
高山病対策の呼吸はずっと行いつつ、30分~1時間に一度くらいの頻度で休憩をいれながら登っていたのですが、7合目辺りで酸素飽和濃度を測った時に、自覚症状などは全くないのにいきなり70%台まで低下していました。
そこからは、休憩するたびに酸素飽和濃度を測り、90%台まで回復したら行動再開を徹底し、初日は高山病を発症せずに山小屋まで到達出来ました。
二日目の9合目で私は少しだけ頭痛が出ましたが、山頂への渋滞の中ということもあって、自分たちのペースで登りづらく、休憩もパルスオキシメーターの使用頻度も減ったのが原因かと思ってます。
高山病がらみで山小屋選びも迷ったのですが、山頂での御来光を見られる確率を高めたり、二日目にお鉢巡りをする可能性なども考えると、極力山頂に近い山小屋の方が翌日の計画を立てやすくて便利です。
とはいえ、無理して高山病を発症してしまっては元も子もなく、標高の低い山小屋泊の方が高山病になりにくいのではないかと考えて、8合目の山小屋にすることも考えたり迷いに迷いました。
登山を終えての個人的な感想としては、歩くペース・休憩の頻度・呼吸の意識などに注意を向けられるのであれば、8合目の山小屋も8号5勺の山小屋もどちらも変わりないかと思いました。
ただ、体力的には本8合目から8号5勺までが一番きつかったので、子供の体力が心配な方は8合目から本8合目の山小屋で宿泊を検討しても良いかと思います。
個人的には山小屋の前で御来光を拝んでも、山頂で御来光を拝んでもそれほど差はないと思いますが、山頂で御来光を見たがるお子さんもいらっしゃると思いますし、山頂でお鉢巡りを絶対にしたい方もいらっしゃると思うので、そこは子供と話し合ってスケジュールを立てても良いかと思います(#^.^#)
ちなみに、高山病対策として「酸素ボンベを持っていく」という選択肢もあるのですが、空気の少ない環境になれるのが本来の対策です。
一本の酸素ボンベで賄える酸素量を考えると、酸素ボンベは必要ないかと思いますし、ネットの情報の中には逆効果と書かれているサイトもありました。
続いて、悩み3項目の最後③低体温症について。
過去のブログでも書きましたが、山小屋泊は劣悪な環境を想像していたので、防寒着だけでなくエマージェンシーシートも持参しましたが、8号5勺の御来光館さんはお部屋も寝具も快適だったので、防寒着すら必要ありませんでした。
暑がりな子供たちは、レンタルしたレインウェアも防寒着のフリースすらも気温的には必要なかったですが、それは私たちが登った日の天気が理想的で、なおかつ計算通りに山頂に到着できて待機時間が短かったからです。
8合目の山小屋を過ぎた辺りで雨に濡れたのですが、ほんの10~20分程度の雨で一気に体は冷えて手はかじかみました。
御来光を確実に山頂で見ようと思ったら、山頂で待機する時間も長くなるので、風が少し吹いているだけでも体感温度は下がりますし、雨が降ったりしたら尚更大変です!
今回の富士登山では防寒防水手袋をレンタルしなかったのですが、もし私がまた富士登山するなら防水手袋は借りると思います。・・・いや、もう登りませんけどね(;´д`)
天気のよい日にあわせて登山ができる人は良いですが、仕事の都合をつけて子供と登山となるとリスケジュールもなかなか難しいです。そして何より山の天気は読めません!
私も二つの天気予報サイトで2週間前から毎日チェックしてましたがコロコロ変わりますし、私たちが登る日の天気も前日までチェックして、A~C判定で最低のC判定でした。
なので、今回の富士登山で使った防寒着は、レンタルしたフリースとレインウェアのみでしたが、仮にもう一度富士登山チャレンジするとしても、ダウンとエマージェンシーシートは持っていくと思います。・・・いや、本当にもう登りませんけどね(-_-;)