こんにちは、音楽家のフォーカルジストニア(局所性ジストニア)を専門的に診ている、練馬区平和台のコンチェルトはりきゅう院 院長の松浦聡です。
本日は機能性発声障害を抱えたボーカルへの施術症例報告になります。
症例の患者さんは、異国の地、台湾で活動されている日本と台湾ハーフのボーカリスト:田倉謙さんです。(ご本人の許可を頂き情報公開しております。)
田倉さんの活動などに関するインタビュー動画はこちら↓
ということで、まずは病歴から報告いたします。
機能性発声障害をハッキリと自覚したのは三年前からで、ジストニアの症状が強いために活動を休止していた時期もある。
症状が酷かった発症当時は、日常会話でも声がひっくり返ったり、声が掠れてしまって途切れたりもしていた。
耳鼻咽喉科や声の専門クリニック、心理セラピーなども受診して、何とか歌える状態にはなったが、今だにその日その日で声の調子がバラバラで安定しない。
具体的な症状は、喉が締められるような感覚で声が詰まったり、ひっくり返ったり、途切れたり、息が続かなかったりと様々。
症状を抑えやすい歌い方を自分なりに工夫して、色々と手探りをしつつ活動を続けて、発症当時よりは大分良くなってはいるが、楽に歌うという感覚が全然なくなってしまっていました。
普段は台湾の高雄で活動をしていて、日本では歌の仕事はしていないが、コロナの影響で台湾に戻れないので、ジストニアを克服する良いチャンスかと思いご来院くださったそうです。
発症したきっかけとして考えられるのは、音楽で生計を立てられるようになってきたタイミングで、連日かなり長時間歌ってプレッシャーをかけていたことで、病院でもストレスが原因で発症したと言われた。
台湾では日本語の歌と中国語の歌の両方とも歌うが、中国語の方がやや歌いやすく、日本語の方が症状が出やすい。
ということで、初回施術前と6回目の施術後で動画をアップいたしました。
さて、いかがだったでしょうか?
施術前の歌もそれほど悪くない・・・というかむしろ上手ですが、ご本人はかなり喉周りの筋肉に意識を置いていて、胸式呼吸で喉の筋肉を意識して症状を抑え込んで歌っていらっしゃいました。
施術を重ねるたびに、楽に歌えるようになってきて、声量を上げるとひっくり返りの症状が出やすかったので、抑えていたせい量も、喉周りを意識せずに声量を上げてもジストニアの症状が出なくなってきました。
私は台湾が大好きで、田倉謙さんはまさしく日本人と台湾人それぞれの良い所を持ったナイスガイです!
日本から離れてしまうのは寂しくもありますが、はやくコロナが落ち着いて台湾で活躍されることを願っております♪
ミュージシャンや声優など声を専門にした仕事に携わってなくとも発声障害は発症します。
当鍼灸院では声のプロの方以外でも発声のお悩みでご相談いただき、症状の軽減に役立てているケースもあります。
発声の症状でお悩みの方はプロアマ問わず是非一度ご相談くださいませ♪